いまここでどこでもない

I can't give you all that you need ,but I'll give you all I can feel.

Tomorrow's Modern Boxes.

トム・ヨークがいきなりニューアルバムをリリースしやがりました!この人はいつもいきなり動き出しますね。しかも今回もリリース方法が凝っています。どうやらBitTorrentというシステムを経由しての配信のようですが、さてどうなるのか。とりあえずは彼らか…

KOHH『Monochrome』

こんな言葉がある。 リアルよりリアリティ、リアル これは甲本ヒロトがハイロウズ時代に書いた「十四才」という曲の一節だ。 KOHHというラッパーがいる。1990年東京生まれ。幼少期は都営住宅で薬物中毒者の母親と過ごす。身体中タトゥーだらけ。2012年に発表…

最近のお気に入り

最近聴いた音源から。新譜みっつ、旧譜ひとつ。Weaving/Jo Johnson(2014) アメリカのエレクトロニックミュージシャンのニューアルバム。美麗なシンセサウンドと反復の快楽。基本的にクラウトロックを意識した意匠ながら、随所にドローンやアンビエントの要素…

SEEKAE『WORRY』

薄々勘付いているだろうが、ポップ・ミュージック好きの連中の「最高!」だとか「歴史的名盤!」みたいな言葉ほど信用できない言葉、そうそうない。彼らは年中そんなことを声高に叫んでは、翌週にはけろっとデータを消去し違うアーティストの最新作に尻軽に…

ゴーイング・ゼロから1への飛躍、またはその掌返しについて

(※音楽だいすきクラブの記事からの加筆再掲)渋谷系って?そう尋ねられたら僕は「海外かぶれでスノッブな連中のスカした音楽だよ」と偽悪的に答えてやろう。この国の偉大なるアンファン・テリブル、フリッパーズ・ギターの2人に倣って。田中宗一郎は渋谷系を…

最近のお気に入り

最近気に入ってる新譜と旧譜を何枚か。兼忘備録として。こういうのも書いておかないと、あっという間に忘れてしまう。飽きっぽいからね。Minus Tide/Lemonade(2014) 前作『Diver』で一躍人気に火がついたシンセ・ポップバンドの2年ぶりのサードアルバム。「…

Merchandise『After The End』

ここ十年で最もアメリカの文学に影響を与えたバンドはキュアーとR.E.M、そしてスミスだそうだ。その影響力は純文学に限定せず、ヤング・アダルト文学や映画、果てはカルチャー雑誌やティーン雑誌の広告の見出しまでスミスの歌詞が引用されまくっているようだ…

Perfume,8月のベストミュージック

調子乗ってぶちあげたディスクガイド企画は完全に頓挫しました。楽しみにしてくださった方がいたらごめんなさい。完全にオオカミ少年状態ですが、なんやかんや100枚近くのレビューを書いたので来年の夏の公開に向けて準備を進めています。前回の記事のように…

Endless Summer

夏が終わる。夕暮れ時。長く伸びる給水塔の影。黴臭い市民プールの帰り道。誰もいない砂浜。バッグから零れ落ちたビーチの砂。そんな夏のぬけがらたちが、まるで亡霊のように僕たちに呪いをかける。終わらない夏休み。8月32日へ。そして気付いたら僕らは海に…

My 30 Best Albums of The Decade (So Far)

ベストトラックに続いて2010年代上半期のベストアルバムです。どうしてもランキングが高くなるので2014年発表の作品はこのリストからは除外しました。しかし、我ながらベタなセレクトだなー、と思います。特に上位2枚。調べてみたらおしなべてPitchforkのB…

My 20 Best Tracks of The Decade (So Far)

Pitchforkのコレに触発されてやってみました。国内/海外に分けてそれぞれ20曲ずつ。レビューは後日追加できたら書きたい。とりあえず1位は過去を慈しむ楽曲と未来の子供達に向けた楽曲とそれぞれなっています。特に海外のアーティストはアルバム単位で聴く…

Jpop de Motown

世界一好きな曲はちょっと迷ってしまうし、なかなか決めることはできないけれど、世界一好きなベースラインなら迷わず即答できる。シュープリームスが歌う、永遠のクラシック「恋はあせらず」。後にモータウン・サウンドの代名詞となる、ジェームス・ジェマ…

Spoon 『They Want My Soul』

Spoonのニューアルバムが大変なことになっている。前作の『Tranceference』はもちろん、最高傑作と名高い前々作『Ga Ga Ga Ga Ga』すら凌駕する傑作だなんて想像できるかい?凌駕する、ってのはちょっと言い過ぎにしても、彼らの輝かしいディスコグラフィ内…

お知らせ、7月のベストミュージック(後編)

ではでは7月のベストアルバムを!順不同で10枚。いや、でも正直最初の2枚は飛び抜けてとんでもなかった。勿論どれも本当に本当に素晴らしい作品ばっかりです。8月にはとりあえずFKA twigsとSpoonの新譜もあるし、アナウンスされていたKanye Westの新曲「Al…

お知らせ、7月のベストミュージック(前編)

こんにちは。すっかり夏ですね。先月のこの記事も似たような出だしだった気もしますが、ずっと夏なんだから仕方ない。だってほら、ヒロトもハイロウズの時に歌ってたじゃん、「6月と9月にはさまれたのが夏じゃない」「すべての季節が過ぎ去っても/僕は夏のま…

Undersky Ambience

Streaming 以前にもポストした国産エレクトロニカの最高峰、sora。まるでオウテカがサンプラーを用いてリゾートミュージックを制作したかのような『re:sort』という傑作を1枚だけ残して活動休止(?)して以来、何の音沙汰も無いので彼の新しい音源を聴くこと…

Lowlakes 『Iceberg Nerves』

インターネットを徘徊して片っ端から音源をダウンロードして聴いては保存/削除し、時間を浪費しまくる、という幸福なのか不幸なのかよく分からないけど、とにかくネット時代の音楽好きあるあるなことをしていたら発見しちゃったよすげーバンド!なんて経験誰…

Bleachers 『Strange Desire』

We Are Young/Fun. 2012 アメリカならともかく、この日本でFun.というバンドを覚えている人ってどれくらいいるんだろう。もしかしたら僕が知らないだけで今でも熱心に愛されているのかもしれないけど、とにかく僕は完全に失念していた。ジャネール・モアイを…

Mark Barrott『Sketches from an Island』

Mark Barrottのこのアルバム、とにかくとにかく兎に角、素晴らしいんです。バレアリックの新たな名盤の誕生です。Sketches from an Island/Mark Barrott 2014 イングランド出身のMark Barrottがイビザ島に移住し、届けてくれた『島からのスケッチ』。そのタ…

How To Dress Well 『What Is This Heart?』

まずはHow To Dress WellことTom Krellの2010年と2012年にリリースした2枚のアルバムについて振り返ろう。Love Remains 2010Love Remainsアーティスト:How to Dress WellLefse RecordsAmazonドイツはケルンの学生だった彼が自身のブログからフリーダウンロー…

お知らせ、6月のベストミュージック

暑い。外は35度の真夏日で蝉がうるさい。夏ですね、夏なんだな。夏といえばマーシーこと真島昌利の季節ですね。例えばブルーハーツの「1000のバイオリン」とか「ハンマー」とかいつ聴いても最高ですよね。もちろんソロ一作目の『夏のぬけがら』は永遠のサマ…

夏の魔物

いま僕がいる沖縄では昨日から梅雨明けし、本格的な夏がやってきました。夏といえば、という作品は無数にありますがその中でも特に思い入れがあるのがこのレコード。正確にはレコードよりも、おまけの方。初期のスピッツのアナログ盤にはオリジナル・コミッ…

SLAVVE

ブルックリンを拠点に活躍するSLAVVEというバンドが気になる。SLAVVEは二人組体制のバンドで、メンバーはボーカルのChuka ChukumaとドラムのMarcos Marchesani。ドラムの人は元Surfer Bloodの二代目ドラマーだそう。ハードコアとポストパンクのいいとこ取り…

A Sunny Day in Glasgow 『Sea in Absent』

シューゲイザーの聖地フィラデルフィアで曇り空が似合う耽美的なフィードバックノイズを鳴らしていた、双子姉妹(脱退?)+お兄ちゃん+その友達からなるA Sunny Day in Glasgow。そんな海へ行くつもりじゃなかった彼らが、なぜかオーストラリアはシドニーに…

We can't be forever young, but gonna live forever.

後藤正文 a.k.a Gotchの『Can't be forever young』 を聴き逃してはいないかい?Can't be forever young/Gotch 2014このアルバムは「2014年屈指の大名盤!」なんて大仰な煽りよりも、もっとカジュアルで気楽にシェアされていってほしい。友達と「そういえば…

The Brazil Connection/音街巡旅

このアルバムめちゃくちゃ面白い&いいです。Studio Rio Presents:Brazil Connection 2014ありがちなソウルの名曲のブラジリアンカバー集かと思いきや、なんと原曲のボーカルをそのまま流用し、マルコス・ヴァーリーをはじめとしたブラジルの凄腕ミュージシャ…

My 10 Favorite FISHMANS Songs

前回のビートルズに引き続き、「俺の10曲」フィッシュマンズ編です。発表の前にダラダラと自分語りをしているので雑に読み飛ばしてくださって結構です。だって仕方がない、フィッシュマンズについて語るということは、僕にとってある時期の自分を語るにたや…

My 10 Favorite Beatles Songs

僕の好きなビートルズソング10曲。もっと悩むかと思ったけど意外とスッと選べた。ちなみにアルバムはホワイトアルバム最高派。サージェント・ペパーズと2ndも好きだな。でもいちばん聞いてるのはきっとリボルバーか3枚目。あ、でもマジカルとレットイットビ…

Lust for Youth

AMPのこの記事を読んでからというもの、早く6月10日がこないかと首を長くして待っていた甲斐がありました。スウェーデン出身のLust for Youth、彼らの4枚目のフルアルバム『International』が最高なんです。前作までのダークでゴシックな作風からThe Horrors…

ナマで踊ろう

らしくないな。それが坂本慎太郎の『ナマで踊ろう』を聴き終えての感想だった。僕はゆらゆら帝国の熱心なファンであったとは言えないけれど、彼らの音楽は常に「ここではないどこか」に連れてゆく、アナーキーでロマンチックな音楽だったと記憶している。社…