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いまここでどこでもない

I can't give you all that you need ,but I'll give you all I can feel.

スヌーザーが選んだ2008年度ベスト・アルバム10

RAM


ディスコ・パンク/ニュー・レイブ、そして「北米インディー」というムーブメントが席巻した2008年。まずはアメリカに注目してみよう。ボン・イヴェールが大ブレイクするための下地を用意したネオ・カントリー/チェンバー・ロックの雄フリート・フォクシーズ古今東西のサイケ・ロックに精通した機材マニアテーム・インパラがデビューしたのもこの年だったが、最大のニュースはやはりヴァンパイア・ウィークエンドの登場だろう。小綺麗で記号的なプレッピー・スタイルにその身を包み、現代版トーキング・ヘッズとでも言いたげにアフロ・リズムを軽やかに現代的なインディー・スタイルへと洒脱に落とし込むセンスの塊のようなバンド、それが彼らだった。そのスマートかつ鋭い感性は「北米インディ」というムーブメントを突き動かす重要な推進力となってゆく。ディアハンター『Microcastle』も2008年の音楽シーンを語る際には欠かすことのできない名盤だ。フロントマンであるブラッドフォード・コックスの強烈な存在感も凄いが、音はもっと凄かった。アニマル・コレクティブが進化/深化させていったネオ・サイケデリックという価値観をシューゲイズ・サウンドに取り入れ、そこにドリーム・ポップのような甘くてダルなメロディまで乗せてしまうという、いわば極めてミーハーなアルバムでもあった。



ディスコ・パンクへと話題を移そう。DFAからヘラクレス・アンド・ラヴ・アフェアがデビューし、イギリスではフレンドリー・ファイヤーズがファーストアルバムをリリースした。海を隔てながらどちらもハウス・ミュージックから強く影響を受けているという点では共通していたが、『Friendly Fires』はギターロックのエッセンスを違和感なくサウンドに取り入れた非常に個性的な作品だった。ユーフォリックな代表曲「Paris」はもちろん必聴だが、まずは「Lovesick」で聴ける圧巻のギターワークに酔いしれてほしい。では、ニュー・レイブはどうなっていたかというとレイト・オブ・ザ・ピアクリスタル・キャッスルズメトロノミーといったシーンを代表するアーティストが台頭し、早くもその全盛期を迎えていた。2008年のベストアルバムにも選ばれたメトロノミー『Nights Out』は地味ながら音楽的野心に満ちた本当に素晴らしい作品だが「ニュー・レイブな音」とは程遠い。彼らは間違いなくニュー・レイブの渦中にいたにも関わらず、作り上げたアルバムは騒々しさから何歩も引いた非常に内省的なサウンドとなっていた。つまり、早すぎるビック・ビート・リバイバルであったニュー・レイブに対する早すぎるカウンターが『Nights Out』という作品だった。それだけじゃない、ニュー・レイブから早くも枝分かれしたサブ・ジャンル「ニュー・エキセントリック」まで誕生した。アメリカのヴァンパイア・ウィークエンドの音楽性に呼応するように、エスニックなサウンドを取り入れたフォールズジーズ・ニュー・ピューリタンがそこから登場し瞬間最大風速を記録することになる。このように異様なハイスピードで消費されたニュー・レイブというムーブメントは、翌年に立役者であるクラクソンズに「もう手に負えない」と匙を投げられたことで、そのあまりに短い生涯を終えることになる。アーメン。


スヌーザーが選んだ2008年度ベストアルバム10

10.Late Of The Pier『Fantasy Black Channel』

Fantasy Black Channel

Fantasy Black Channel

  • Late of the Pier
  • ポップ
  • ¥1600


9.The Killers『Day & Age』

Day & Age

Day & Age


8.These New Puritans『Beat Pyramid』

Beat Pyramid

Beat Pyramid


7.Hercules And Love Affair『Hercules And Love Affair』

Hercules & Love Affair

Hercules & Love Affair

  • Hercules & Love Affair
  • ダンス
  • ¥1600


6.The Last Shadows Puppets『The Age Of The Understatement』


5.Deerhunter『Microcastle』

Microcastle

Microcastle

Youtube


4.Beck『Modern Guilt』


3.Friendly FiresFriendly Fires


2.Vampire Weekend『Vampire Weekend』


1.Metronomy『Nights Out』

ナイツ・アウト

ナイツ・アウト

Youtube


スヌーザーが選んだ2008年度ベストシングル10

Apple Music Playlist

1.The Streets「Everything Is Borrowed」

2.Friendly Fires「Paris」

3.Late Of The Pier「Space And The Woods/Focker」

4.Black Kids「I’m Not Gonna Teach Your Boyfriend How To Dance With You」

5.Kings Of Leon「Sex On Fire」

6.MGMT「Kids」

7.Surkin「Next Of Kin」

8.Glasvegas「It’s My Own Cheating Heart That Makes Me Cry」

9.Metronomy「A Thing For Me」

10.The Ting Tings「Great DJ」