いまここでどこでもない

I can't give you all that you need ,but I'll give you all I can feel.

sora,cheekbone

日本は京都のクロサワタケシのソロプロジェクトsoraのアルバム。

 re:sort/sora 2003 
Resort

Resort

 

レーベルはplopより。plopエレクトロニカは良くも悪くも雰囲気重視というか、キラキラしててオシャレなんだけど毒にも薬にもならず結局すぐ聴かなくなる作品が多い。そんな中このアルバムは今でも引っ張り出してよく聞いている。電子音にジャズやボサノヴァをサンプリング+フィールドレコーディングでカフェなどで流しても違和感のないリゾートミュージックとなっている。だけど優雅なだけの音楽じゃない、ぶつ切りされた分裂症気味の電子音とそれらが生みだす「間」が非凡な理由か。


 
同じく日本のエレクトロニカの傑作、cheekboneのアルバム。こっちは奈良発。
 
ちぐはぐ/cheekbone 2008 
ちぐはぐ

ちぐはぐ

 

レーベルは曽我部恵一のROSE recordから。「なにかがくれるころ」「ねじれてひろがる」などのタイトル通りサイケデリックな曲が多い。ドラッギーなサイケデリアではなく、悪夢のようなサイケデア。加えて日本的な超常的なものに対する畏怖の念が根底にあるように感じる。M2「ワルツ」では可愛らしいメロディに一人で森の中を彷徨うような恐怖が入り混じる。そしてその恐怖は長尺曲M8で頂点を迎える。この曲ではシューゲイザーも真っ青な轟音のギターが鳴り響きひたすらに怖いが同時に巨大な何かに包まれる不思議な安堵も感じさせる。 曲名も秀逸だ、「まどろみのきおく」。




うろ覚えだが、フィッシュマンズ佐藤伸治クイックジャパンのインタビューで「いいけどちょっと怖いのが、いい音楽の基本だよね」という趣旨の発言をしてたと思う。当時はよく分からなかったけど、最近よく思い出しては納得する。