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いまここでどこでもない

I can't give you all that you need ,but I'll give you all I can feel.

My 10 Favorite FISHMANS Songs

俺の10曲

前回のビートルズに引き続き、「俺の10曲」フィッシュマンズ編です。

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発表の前にダラダラと自分語りをしているので雑に読み飛ばしてくださって結構です。だって仕方がない、フィッシュマンズについて語るということは、僕にとってある時期の自分を語るにたやすくイコールされてしまう。そんな自意識や自分史と固く結びついて切り離せないミュージシャンが誰にも何組かいるはずだ。僕にとってはフィッシュマンズ小沢健二がそう。人生で1番夢中になったミュージシャンは?と聞かれたら間違いなくその2組を挙げるだろう。

僕は15歳から17歳まで、正確には小沢健二の『毎日の環境学』がリリースされるまでフィッシュマンズのほぼ音楽しか聴かなかった。誇張でもなんでもなくそれ以外の音楽に一切の興味がわかなかった。僕は佐藤伸治に憧れていたし、佐藤伸治になりたかった。ライブ盤のMCを参考にして口調を真似たり、首を長く見せたいから肩を落として歩いていた。恋人と別れた日に彼のお墓参りに行って「今日もよくやったよ」って煙草を吹かす『なつやすみ』ってオリジナル漫画を書いたりもしたし、marimariみたいな女の子を好きになった。メールで知り合ったファンの人に「pool(ファンクラブ会報)全部譲ってください!」って送ったら音信不通になって大泣きしたこともあった。

とにかく、ある時期、フィッシュマンズは僕のすべてだった。

だから選曲はビートルズなんかより1000倍は悩んだ。その結果、どうしても10曲には絞れなかったというオチ。だけど「ずっと前」も「baby blue」も「ナイトクルージング」も「頼りない天使」も泣く泣く削ったんだ、ちょっとぐらいはみ出してもいいじゃないか!

ではお楽しみください。そして、よかったら皆さんの10曲+αも教えてください。


11.すばらしくてnice choice(live)
(from DVD 記憶の増大)

もちろん『空中キャンプ』収録のオリジナルも素晴らしいが、魂が抜かれそうなほどに快楽的なこのライブテイクには敵わない。「もう溶けそうだよ」と歌う佐藤伸治の恍惚とした危険なトリップ感に90年代のドラッグカルチャーからの影響を感じずにはいられない。

10.いかれたBaby(live)
(from Oh!Mountain)

甘く切ないメロディをヒップホップ以降のビートに乗せた初期のメロウな名曲。こちらもライブバージョン。ええ分かりますよ、最高のカッティングギターとシンセサウンドが聞ける『男達の別れ』ver.の方が相応しいことぐらい。でもモラトリアム感が炸裂するこのアルバムでのこの曲が僕は好きだ。胸がキュンとする。

9.むらさきの空から
(from CORDUROY’S MOOD)

RCサクセションみたいな初期の名曲。地味だし正直なんてことない曲だけど、大切な誰かと夜の道で歩く時にいつも心の何処かで鳴っている大切な曲。再結成ライブのpocopenが歌ってるやつも堪らない。大好きなボーカリストが大好きな曲を歌ってくれる、それ以上の喜びはない。

8.in the flight(live)
(from 男達の別れ)

「1からやり直そうっていう感じなんですよ、気分的に。そして10年後には(メンバーの)誰が残っているかっていう」

「そんなこと言うなよぅ」(観客席から)

「俺もいつもそう思ってんだけど、結局減ってるじゃん!いつもさ(笑)」

「10年ぐらいしたら自分も変われるかなと思ったんですけど、なんか、なんか色々あるなって感じの曲を聞いてください」

その流れでこの曲。反則。

7.JUST THING(live)
(from 8月の現状)

フィッシュマンズ道そのものの歌詞。猛烈に憧れた。老人ホームの有線から流れてきたときは思わず笑ったなあ。印象的なサンプリングはJimmy Smithのこの曲のイントロから。

6.パラダイス
(from Neo Yankee's Holiday)

「君は背伸びで外を見つめて/ひどく大きな落とし物に気付く」という歌詞に象徴される「悲しいほどお天気」な感覚。『空中キャンプ』以降失われてしまうそんなハッピーサッドなフィーリングをぎゅうぎゅうに詰め込んだ可憐なレゲエ。

5.LONG SEASON(live)
(from 男達の別れ)

降り注ぐようなドラム。縦横無尽に走るベース。壮大なスケールのヴァイオリン、エモーショナルなギターソロ。悲壮感すら感じさせる壮絶な演奏が、佐藤伸治の僅かしかないボーカルパートだけのために奉仕している錯覚を覚える。まるでI Am The Resurrectionにおけるイアン・ブラウンのように。

最後の最後、絞り出すような「Get round in the LONG SEASON」というシャウトに確かに永遠が宿っている。

4.感謝(驚)
(from ORANGE)

「夏休みが終わったみたいな顔した僕をただただ君は見てた」

そんな感じの、それが全部の大名曲。

3.Daydream
(from 宇宙 日本 世田谷)

閉塞感とデッドエンド感に息が詰まりそうになるラストアルバムの最終曲。小沢健二の「ある光」と共に失われた10年と揶揄された長い夏休みの終わりを告げた、90年代へのレクイエム。数年後、小沢健二は雲隠れしフィッシュマンズはフロントマンを失った。

2.それはただの気分さ(demo)
(from Aloha Polydor)

疲れ切った夜に部屋の明かりを消して膝を抱えながらヘッドホンで何度も聴いた。

この曲だけがぼくの味方だった時もあった。

僕は、この曲に救われたんだ。

1.新しい人
(from 空中キャンプ)

佐藤伸治はこの曲のデモをメンバーに聞かせて得意気に「こんな曲、聞いたことあるかい?」と言ったそうだ。僕は今もこんなに不思議な音楽を他に知らない。

夜明け前の海を前にして芽生えた「音楽はなんのために鳴り響きゃいいの?」という最突端の問いかけに対する真摯なアンサーソング。「音楽」について語る音楽の最高峰。


これは番外編。

0.ひこうき(live)
(from 男達の別れ)

とにかく4:00からのギター。ギターソロって大嫌いだけど、これだけは死ぬほど好き。だって超かっこいい。ギターヒーローとか魂とか、そんな頭の悪い言葉を使いたくなる。

俺のギターヒーロー佐藤伸治の魂の演奏。