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いまここでどこでもない

I can't give you all that you need ,but I'll give you all I can feel.

A Sunny Day in Glasgow 『Sea in Absent』

シューゲイザーの聖地フィラデルフィアで曇り空が似合う耽美的なフィードバックノイズを鳴らしていた、双子姉妹(脱退?)+お兄ちゃん+その友達からなるA Sunny Day in Glasgow。そんな海へ行くつもりじゃなかった彼らが、なぜかオーストラリアはシドニーに引っ越して真っ青なビーチに夢中になったら、果たしてその魅力は削がれてしまうのか?答えは勿論NO。ジャケットそのまま、灰色に煌めくビーチのようなストレンジで唯一無二のサウンドをパッケージした素晴らしいアルバムを僕たちに届けてくれました。

Sea in Absent/A Sunny Day in Glasgow 2014

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双子姉妹に代わり新たに2人の女性ボーカリストを招き入れ、新体制で製作された今作ではこれまでの彼らを特徴付けていた、所謂シューゲイズ・サウンドは数ある要素のひとつに過ぎません。アルバムに先がけ発表され、各種メディアで絶賛されたこの名曲が何よりその事を証明しています。

立体的に重なる2つの声とプリミティブなリズムが生み出すAnimal Collectiveのような祝祭感と、シューゲイズならではの陰鬱さが混ざり合い渦を巻いているかのような複雑で豊かなサウンドスケープ。まさにこのアルバムを象徴する1曲であるといえます。

このアルバムは「2014年の日常を舞台にしたSF」であり福島の震災などにインスピレーションを受けた、とフロントマンのBen Danielsは語っています。単純に音からそのコンセプトに気付くことは難しいかもしれませんが、確かにこの作品の奇妙な音像はSFを連想させます。ハヤカワ文庫の仮想現実としての壮大なファンタジーなSFではなく、藤子先生の描くオバQが居候しているようなSFの方だけど。

モノクロ映画の海の美しさような、分かる人にはきっと分かる、そんな「すこし・ふしぎ」なアルバムです。2014年の夏には勿論必須でしょう!