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いまここでどこでもない

I can't give you all that you need ,but I'll give you all I can feel.

Lowlakes 『Iceberg Nerves』

レビュー

インターネットを徘徊して片っ端から音源をダウンロードして聴いては保存/削除し、時間を浪費しまくる、という幸福なのか不幸なのかよく分からないけど、とにかくネット時代の音楽好きあるあるなことをしていたら発見しちゃったよすげーバンド!なんて経験誰しもあるよね。密かにこっそりと愛でて、それで年末のベストアルバムにしれーっと忍び込ませちゃうみたいな。このLowlakesというバンドもそう。本当は教えたくないけど教えちゃう。だって我慢できないから。

ポップミュージシックは複製されて拡散されていくことに意味がある。「僕だけのバンド」なんてスノッブな自意識は今すぐ夜食として食べるかドブに捨てちまえ。ウソ、それも絶対に大事。てゆうか、そんなことはどうでもいい。大切なのはこのアルバムが最高だっていうことだ。世界にはまだまだこんな最高の音楽が君に見つけられるのを待っている。

Iceberg Nerves/Lowlakes 2014

Lowlakesはオーストラリアを拠点に活動する4ピースバンドであり、このアルバムがファーストアルバムのよう。ボーカルの特徴的なハイトーンボイスと、打ち込み主体のポストクラシカルを通過した大らかで雄弁なサウンドスケープとの相性は抜群。溜息が出るほど美しい。ドリームポップやシューゲイズの要素も多分にあり、単なる懐古主義的なオーケストラル・ポップとは一線を画している。とりあえず、まずはビデオもあるこの曲を。大きく円を描き、高く天上へと昇りつめていくようなドリーミーな一曲。実はアルバムの中ではポップ過ぎてちょっと浮いてるからこの作品のサンプルには不向きだけれど、Lowlakesというバンドを知るにはいい曲だと思う。



アルバムを通じてSigur Rosを連想させる清廉で厳かな空気が張りつめていると同時に、ノスタルジックなジャケット写真も相まって聴いている間に色々な事を思い出させてくれるメディテーションな側面もあり、人肌の温もりも感じさせる作品となっている。アルバムの導入部から、心が洗われるような美しい最終2曲に収束する構成も素晴らしい。わざとらしい盛り上がりやピークタイムを設けず、細部まで丁寧に作り込まれた瑞々しい傑作。レコメンド!