We can't be forever young, but gonna live forever.
後藤正文 a.k.a Gotchの『Can't be forever young』 を聴き逃してはいないかい?
Can't be forever young/Gotch 2014
このアルバムは「2014年屈指の大名盤!」なんて大仰な煽りよりも、もっとカジュアルで気楽にシェアされていってほしい。友達と「そういえば、Gotchのアルバムすごくいいよね」みたいに。なんならアジアン・カンフー・ジェネレーションのフロントマンっていう肩書きや、John McEntireのプロデュースという注釈も忘れてしまって構わない。それぐらいリラックスして散歩やドライブでもしながらこのアルバムを聞いてほしい。きっと「こいつとは長い付き合いになるな」と嬉しくなってしまうはずだ、例えばWeezerやAshの1枚目に出会った時みたいに。
Can't be forever youngという言葉からOasisのこの永遠の名曲を思い出した人も少なくないんじゃないだろうか。
The Whoは「歳取る前に消えちまいたい」と歌い、Kurt Cobainは「色褪せるより燃え尽きたい」と自殺して、Oasisは「俺たちは永遠に生きるんだ」と反発した。勿論Live foreverなんて幻想だし嘘っぱちだ。だけれどそんな冷めた理性/知性を裏切って、嘘を信じ込んでしまう瞬間を召喚し続けることがロックのダイナミズムってやつだ。
Gotchの「永遠に若くはいられない」に続く言葉はきっと”But” we gonna live foreverのはずだ。『Can't be forever young』においてその反転はOasisのようにドラッギーな陶酔を伴うものではないし、Nirvanaのように圧倒的な高揚感によって為されるものでもない。平熱ちょっと上目のあくまで日常的な感動に基づくものだ。だから、このアルバムは夏の青空を見上げた時のように静かに僕たちをワクワクさせてくれる。どこまでも行けるような、そんな予感に満ちている。
心臓はいつか止まってしまう
この恋もいつか終わってしまう
それでも永遠を願ってしまう
燃やせよほら
鳴らせよまだ
抗える分だけ(Can't be forever young/いのちを燃やせ)