いまここでどこでもない

I can't give you all that you need ,but I'll give you all I can feel.

2015-01-01から1年間の記事一覧

Best 50 Albums of 2015 (50→26)

2015年はヤバい。そんな言葉がTwitterやブログや音楽メディアで踊る毎日。Apple MusicやAWAも登場したこのご時世に、気付けば150枚近くCDを買い、更にはダウンロードやストリーミングを駆使しながら貪欲に音楽を吸収した。こんなのはスヌーザーのディスクガ…

Best 50 Albums of 2015 (25→?)

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Grimes『Art Angels』

Pitchforkが近日中にアップするだろう『Art Angels』についてのレビューが、良くも悪くもこの作品に対するリアルタイムでの評価の尺度となるのはまず間違いないだろう。だからこそ、なんて言い方はあまりにPitchforkを神格化しすぎな気もするが、それまでに…

Oasis『Heathen Chemistry』と批評を巡る対話

ピッチフォークにとってオアシスというバンドはどういった存在なんだろう?と思いレビューを調べてみたら、ボロカスに貶していて(流石に最初の2枚はある程度評価していましたが)案の定というか何というか。特に1.2点という滅多にない低得点を叩き出した『ヒ…

秋に聴きたいセンチメンタル過剰な10曲+α

みんな大好きオーケストラルくるりを代表する名曲「Jubilee」。あの曲でいちばん泣ける瞬間は、岸田繁が物憂げに「あぁ、さっきから風が冷たい」と呟く瞬間だと思うのですが、どうでしょう。同じく、みんな大好き中期フィッシュマンズを代表する名曲「感謝(…

The World Is a Beautiful Place & I Am No Longer Afraid to Die 『Harmlessness 』

The World Is a Beautiful Place & I Am No Longer Afraid to Die 。「この世界は美しく、僕はもう死ぬのは怖くない」という「世界の終わり」と名乗っていた頃のセカオワすらドン引く程のナイーブさを臆面もなく露わにしたそのバンド名。2009年にアメリカの…

是枝裕和『海街diary』

2度目となる『海街diary』を観終わった。わざわざ同じ作品のために2回も映画館に足を運ぶという経験は初めてのことだ。音楽でも、小説でも、きっと映画でも、初めて触れたその瞬間から心の何処かに住みついてしまう作品というのがこの世界には存在している。…

2015年に聴く中村一義

先日、人生で初めてデモに参加してきた。この場合「参加」という言葉を、僕が忌み嫌っている「参戦」と置き換えてもきっと構わないのだと思う。僕はあの日、確かに腹を立てて、声を出しに、文句を言いにデモに加わった。特定の人物に敵意を向けた言葉を叫び…

Ducktails『St. Catherine』

麗しき新世代ギターロック・バンドの雄リアル・エステート、そのギタリストであるマット・モンダリルが率いるダックテイルズ。ソロプロジェクトといっても結成は2006年と、2009年に始動したリアル・エステートよりも歴史は古く、寧ろ彼にとってはホームとも…

Tame Impala『Currents』

奇妙な作品だ。少なくともテーム・インパラのパブリック・イメージであるサイケ・ロック/ギター・ロックの範疇からは大きく逸脱したアルバムだ。昨年リリースされたハウ・トゥ・ドレス『What Is This Heart ?』を連想させる、ソウル・ミュージックへの接近。…

音楽雑誌スヌーザーが僕らに残してくれたもの (Random Access Memories)

RAM

かつてスヌーザーという音楽雑誌がこの国にはありました。元ロッキングオンの副編集長、現在はthe sign magazineのクリエイティブ・ディレクターを務める田中宗一郎という人が責任編集する形で1997年にスタートし、2011年に終刊となるまで足掛け14年間全国の…

Sentimental Drone Music Disc Guide

あくまで個人的な実感の域を出ないのだけど、2000年代前半、fennesz『Endless Summer』という傑作に端を発して「叙情的なエレクトロニカ」とカテゴライズされる音楽の大ブームがあった。あなたが僕と同じくあの時代に音楽に夢中だったなら、Mego, Karaoke Ka…

The Best 30 Albums of 2015 So Far

2015年という年は、十数年後、もしかしたらポップミュージック史上の歴史的な一年として記憶されているかもしれない───、だなんて、思わずそんな妄想を巡らせてしまうほど、国内外を問わず毎週のように傑作がポストせれたこの半年間。いや、マジホント楽しか…

cero 『Obscure Ride』(Raw)

『Obscure Ride』のサウンドへの言及に比較して、その作中で語られた事象についての言及は現時点では驚くほど少ない。そこで、このディティール編では今作で多用される【船】と【影】というモチーフと【砂漠】/【海】(と「都市」)という舞台が何を意味するの…

cero『Obscure Ride』(Rough)

予めメモしたアルバム発売日にタワーレコードへと足を運び、初回限定版がまだ残っていることに心から安堵してレジに向かい、帰り道にどうしても気になって歌詞カードを取り出し、部屋に戻ると急かされるようにCDをセットし、ほんのちょっとの不安を抱えなが…

Kanye West『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』

まったく、この国の自称・音楽好きの人々のカニエ・ウェストに対する関心の低さは一体何が原因なんだろうか。カニエはあらゆるスケジュールを白紙にしてでも去年のフジロックに来るべきだった。理屈抜きに圧倒的なパフォーマンスで、まるで黒船のように文化…

カニエ・ウェストはかく語りき

カニエ・ウェストがPAPER紙にエッセイを寄稿していました。テーマは「アメリカン・ドリーム」。しかしカニエさん、出だしから「俺の夢は”アメリカの夢”みたいなちっぽけなもんじゃねーから」と一刀両断。クリエイティブに対する異様なまでの拘泥に文中で何度…

2014年のベストいろいろ

あけましておめでとうございます。前回の年間ベストアルバムに引き続き、2014年のベストソング、ベストリイシュー、ベストミックステープ、ベストブックを選びました。ベストムービーはアナ雪と抱きしめたい(しか観てない)です。来年はたくさん映画を観るこ…

BEST ALBUMs of 2014 (10→1)

ようやく完成しました。2014年のパーソナルベスト、最後の10枚です。楽しんでもらえたら幸いです。どうぞ! 10.Black Metal/Dean Blunt 「ウェルメイド」って言葉がネガティブな意味で使われるようになったのはいつからだっけ?作品として統一感があって、お…