いまここでどこでもない

I can't give you all that you need ,but I'll give you all I can feel.

Perfume,8月のベストミュージック

調子乗ってぶちあげたディスクガイド企画は完全に頓挫しました。楽しみにしてくださった方がいたらごめんなさい。完全にオオカミ少年状態ですが、なんやかんや100枚近くのレビューを書いたので来年の夏の公開に向けて準備を進めています。前回の記事のように供養としてちょこちょこアップするのも考えたのですが、やっぱりディスクガイドを作りたいのです。なので、期待せず、待つことも心に留めることもなく、どうか健やかにお過ごしくださいませ。


ところで、先日PerfumeのフェイバリットソングについてTwitterのタイムラインが賑わっていました。その時は迷った挙句「Puppy Love」と答えたのですが、もし反則が許されるなら僕のPerfumeベストソングは間違いなくこの曲です。

この「代々木ディスコMIX」は2009年5月に代々木第一体育館で行われたライブでのみ披露されました。Baby cruising Love 〜GAME〜Twinkle Snow Powdery Snow〜コンピューター・ドライビング〜おいしいレシピ〜リニアモーターガール〜セラミックガール〜スウィートドーナッツとシームレスにディスコ調に繋げてエディットした、もう底抜けにハッピーで涙が出るほどゴキゲンなミックスです。動画も5分以降はどこを切り取っても最高の瞬間しかありません。踊る女の子ってなんでこんなに可愛いんでしょう。最大の見所は9:20〜のダンスソロ、と素人なら答えてしまうでしょうが本当のクライマックスはその後。9:52「おいしいレシピ」からの怒涛のコール&レスポンスこそが最も幸福な瞬間です。観客との掛け合い以上に、10:24からのかしゆかからのあ〜ちゃんを起点とした3人のマイクリレーの美しさ。名前を呼ぶ、という行為の尊さの結晶がここにはあります。多分、きっと。そこから雪崩れ込むような「リニアモーターガール」!ああ、この場にいたかった。。


そんなこんなで8月も終わりました。風が少し冷たくてセンチメンタル過剰な季節が始まります。最近あんまり新譜を聞かなかったなー、と思いましたがいざリストアップしてみると割と素敵な出会いがたくさんあったように思います。この9枚のリストがもし誰かのミュージックライフの豊かさに寄与できるのなら、それほど嬉しいことはありません。ではどうぞ!

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Arranged Waves/Stephen Steinbrink

Arranged Waves

Arranged Waves

ビートルズ経由エリオット・スミス譲りのナイーブなソングライティングに、ソフトロックやカントリーのエッセンスを加え、仄かにサイケ風味に仕立てた、要はアシッドなロジャー・ニコルズ、又は1967年のジョン・レノンのソロアルバムというif。そのサウンドスケープはどことなくブローティガンの描く私欲を排したユートピアを思わせる清廉さをまとっている。夏から秋にかけての季節の感傷的な気持ちを宥めるのに、これ程適したレコードはそうはないだろう。一生聴ける伴侶となりうる傑作。

→「Animate Dust」


LP1/FKA twigs

LP1

LP1

恐らく今現在、世界で最もホットなR&Bシンガーの待望のファーストアルバム。盤石なプロデューサー陣で脇を固め、現行インディR&Bの総括しつつ少し先の未来を提示するという完璧すぎる出来栄えは、未知との遭遇のようだった『EP2』に比べると刺激こそ弱まったかもしれないが、その求心力の強さは2枚のEPの比ではない。「Two Weeks」を筆頭に、このアルバムに収録された楽曲は既にこれからの時代の新たなスタンダードとして君臨するだろう風格を獲得している。新世代の女王の、その記念すべき第一歩。


They Want My Soul/Spoon

They Want My Soul

They Want My Soul

レビューは以前記事に書いたから省略!ではなく、大事な追記が。これからこの作品を聴こうと思っている人がいたら、どうかototoyのハイレゾ音源も選択肢の中に入れて欲しい。音がいい、ってことはこんなにも感動を増大させるんだと気付かされました。ホント別物。すっごいよ!まあ、その感動はmp3の音質で聞き込まなきゃ得られなかったかもしれないけど。田中宗一郎さんのインタビューも必読。

→「Inside Out(live)」


Kaleidoscopic Anima/New House

Kaleidoscopic Anima

Kaleidoscopic Anima

京都はセカンドロイヤル発、ニューハウスの2年ぶりのセカンドアルバム。思わず極東のアニマル・コレクティブ、と呼びたくなるトライバルでトロピカルなサイケミュージック!どこか地に足がついているというか、いい意味でドラッギーではなく素面なぶっ飛び感は日本ならではのフィーリングなのかも。

→「New Wind Blow」


ALVVAYS/ALVVAYS

Alvvays

Alvvays

ジャケットと「ALVVAYS」→「ALWAYS」と読むとバンド名に妙に惹かれて購入。これが大当たり。こんなの嫌いな人いるの?って感じのティーンエイジ・ファンクラブばりのグッドメロディーと、波飛沫のようなギターの蒼い残響。今年のギターロックはビーチ・スラングかホワイト・ラングがナンバーワンかと思っていたら、更に素晴らしいのが出てきちゃった。なんて嬉しい誤算!間違いなく今年最高のギタポ。

→「Archie, Marry Me」


Destiny/Jintana&Emeralds

デスティニー

デスティニー

シンガー「一十三十一」とスティールギタリスト「ジンタナ」を中心に結成されたドゥー・ワップグループのデビュウアルバム。ドゥー・ワップなんて山下達郎とシャネルズぐらいしか知らないので技術的な事は分かりませんが、何より僕が惹かれたのは随所にみられるフィル・スペクター・リスペクト!レトロで新しい、今年屈指の「音の壁」アルバムでした。残暑のバカンスのお供に。

→「HONEY」


Meshes of Voice/Jenny Hval & Susanna RECOMMEND!!

Meshes of Voice

Meshes of Voice

これは本当にビックリした。チェンバーポップのような素朴な歌にダークアンビエント風のドローンノイズを掛け合わせた、ノルウェー発のエクスペリメンタルな傑作。2人のフィメールシンガーの織りなす神秘的な歌唱に、強烈かつゴシックなノイズが混ざり合って唯一無二の音世界を創り出している。真っ暗なベッドルームでひっそりと聴かれるべき作品。

→「I Have Darkness」


Wilderness of Mirrors/Lawrence English

Wilderness of Mirrors

Wilderness of Mirrors

ベン・フロスト『AURORA』にも名を連ねていたアンビエント・ミュージシャンの最新作。ベン・フロストやティム・ヘッカーなどのノイズ畑のアーティストの交流を経てリリースされたこの作品はアンビエントなノイズというべき不思議はテクスチャーをもったサウンドとなっている。轟音なのに繊細で包み込まれるようなノイズは、例えばフェネスとも異なり禁欲的かつ女性的であり、「シルキーなノイズ」と言い換えが可能かもしれない。

→「Graceless Hunter」


Nu.It/Sawako

Nu.It

Nu.It

かつては12kにも所属していたエレクトロニカ作家sawakoの6年ぶり5枚目のアルバム。あらゆる言葉は蛇足にしかならない、純粋なドローン。


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