「ネットの音楽オタクが選んだ2010年代上半期のベストトラック」の知らない曲を聴いてみる
僕も参加させてもらった音楽だいすきクラブの「ネットの音楽オタクが選んだ2010年代上半期のベストトラック」企画。邦楽のランキングが発表されました。
- 「ネットの音楽オタクが選んだ2010年代上半期のベストトラック 邦楽編 50位→1位」(リンク内に50位以下の記事へのリンクもあります)
それぞれの順位に納得ものや異論もあれば、あの曲がない/あのアーティストがいない、など言いたいこともたくさんありますがとりあえず置いといて。あ、でもひとつだけ、andymoriの最高傑作「16」がランクインしなかったのは信じられない!
空がこんなに青すぎるとなにもかも捨ててしまいたくなる
空がこんなに青すぎるとこのまま眠ってしまいたい
この「悲しいほどお天気」なフィーリングを僕はずーっと追い求めていた気がする。それをまっすぐに射抜かれて、僕は彼らに嫉妬して憧れて恋をした。大好きだったよ。
閑話休題。200曲のリストのうち、聴いたことのない曲は勿論たくさんあった。特にベスト50に入るような曲やアーティストについても知らないものがポツポツあって、それは新鮮な驚きだった。せっかくなので今回はリスト内から知らない曲を聴いてみたいと思う。
では上位から順番に。とりあえず100位まで。
フジファブリックは「若者のすべて」ぐらいしか聴いたことがない。それくらい馴染みのないバンドなので、失礼ながら彼らの楽曲がベスト10にランクインするとは思いもしなかった。映画「モテキ」の主題歌らしいこの曲。そういえば耳にした事がある気もする。盛り上がっているようで煮え切らないサビが印象的。疾走感はありつつも強張ったビートと歌詞に屈折が読み取れる。映画(未見)の内容とリンクしているのだろうか。個人的にはもうちょっと突き抜けた方が好きかな。カラックスをオマージュしたPVは最高。
野心的な最新作『幕の内ISM』の収録曲に比べるとびっくりするほど無邪気で拙い。伸びやかなボーカルとキュートな歌詞の相性も抜群。アニソンっぽいなー、というのがアニメを全然通過していないリスナーからの感想。曲を聴いて想起される映像が二次元。彼女たちのことだし「アニソンよりもアニソンっぽい曲を作ってやろう」という企みもあった気もするが、どうだろう。そう邪推してしまうほど、潔癖でピュアな曲には違いない。
まずバンド名が読めない。「ンしゅくがわボーイズ」と読むそうだ。そういえば阪急に「夙川」って駅があったっけ。YouTubeを再生する。ちとどころか不安定すぎる演奏。なんだか酷い時のリバティーンズみたいだ。うわ、いきなりディストレーションをかけたギターとシャウト。しかもいきなり関西弁?謎すぎる。あ、曲終わった。。うん、好きか嫌いかはともかく強烈なインパクト。この蒼い感じに惹かれるのも理解できる。
どうやらニューアルバムが下衆なくらい売れているらしいゲスの極み乙女。なんとなくは知っていたが、その名前からは想像できないくらい洒脱な演奏とアレンジ。一方で歌詞は観念的でうるさくて若干しんどい。「冷めた奴らの目を気にしながら踊れ」というラインも自分たちの立ち位置に自覚的であるというアリバイなんだろうけど、これまたしんどい。すいません、やっぱり苦手なバンドでした。
出だし一発で小西康陽のプロデュースとわかるアレンジ。楽曲の完成度は言わずもがな。ストリングスの使い方が最高。しかし、メタ的なタイトルと歌詞にはあざとい戦略を強く感じてしまう。アイドル(業界)もあの手この手と大変だね。オチもなんだかなーって感じ。もっとストレートな歌謡曲でもよかったんじゃないかな。
「さくらあっぱれーしょん」が大好きだったでんぱ組.incの最上位曲。イントロからフルスロットル。字余りな歌詞を高速でまくしたてる彼女たちのボーカルが俺をどこまでもアゲアゲにしてくれる。最高だ。音と言葉の詰め込みっぷりに「もってけ!セーラー服」を思い出したよ。繰り返す。最高だ。
あれでしょ、AKBのパクリでしょ(秋元康プロデュースって知らなかった)と思って再生したら見事にもってかれちゃった。ビートこそデジタルだが柔らかなオーケストレーションと控えめな歌唱により、一曲を通して儚く禁欲的なアトモスフィアが支配しており、時代遅れな(というかそもそも虚構である)「清楚」という言葉がぴったりと似合う。そんな男の願望/妄想をそのまま投射したような世界観にはドン引くが、名曲。
サカナクション。好きか嫌いかと問われると「好き」とは答え難いバンドなのは確か。とりあえず聞いてみる。なんだか普通のロックバンドの普通の曲じゃんって思っていたらいきなり合唱みたいなパートに突入する。なるほどこの曲、7分くらいあるのね。「ボヘミアン・ラプソディー」ばりのめくるめく展開を期待していたら、その後はまたロックバンドっぽいにエモいパートに入りそのまま終了。うーん、好きな曲もあるけれどこの曲はよくわかんないや。
50.ごめんね/ふくろうず
管理人であるぴっちさんもランクインに驚いていたこの曲。僕もふくろうずというバンド自体を初めて知りました。冒頭から控えめに歪められたギターと僅かに震えるボーカルに惹きつけられる。その繊細さ/不安定さはしっかりとしたコーラスとバンドアンサンブルによってより浮き彫りにされ、ナイーブな言葉も決して感情過多になることなく丁寧に掬い上げられてゆく。とてもウェルメイドな、それでいて決して陳腐にはならないギターロック。しみじみといい曲だと思う。
56.迷子犬と雨のビート/ ASIAN KUNG-FU GENERATION
アジカンのこの曲は知らなかった。気持ちをふっと軽くしてくれる平熱に鳴り響くファンファーレが素晴らしい。この曲の主人公はループする日常を楽しみ、同時にその円環から抜け出そうともがいている。そんな若者のトライ&エラーを祝福するこの曲は「たとえばゆるい幸せがだらっと続いたとする/きっと悪い種が芽を出して/もうさよならんだ」なんて、笑ってしまうようなぬるいニヒリズムを撒き散らすだけのあの曲よりも数億倍名曲だと思うよ、マジ。
感想:「誘惑」と「You WACK」を掛けてるならマジKOOL。
70.メルシールー/ねごと
このバンドもガールズバンドということ以外は知らなかった。イントロのダークにうねる印象的なキーボードのリフに少し驚く。もっとガーリーでコケティッシュなサウンドだと思っていた。かなりロッキンなバンドなんだね。普通にかっこいい。
77.ゆれる/EVISBEATS Feat.田我流
なんで聴き逃していたのか自分でも不明。最高にしかならないだろうコラボレーション。当然、水が高いところから低いところへと流れるようにナチュラルに最高。高鳴る気持ちを心拍数を落とさぬようにチルさせてくれる。今日から死ぬまで、きっとたくさん聴くだろう。余談だけどEvisbeatはJay-Zと波平をマッシュアップさせたこの曲でもその天才性を遺憾なく発揮している。
90.Perfect Blue/Base Ball Bear
本田翼が可愛い。可愛すぎる。
95.オリオンをなぞる/UNISON SQUARE GARDEN
まずはそのバカテクに驚いた。こんなテクニカルなバンドだったのね。(アニメの主題歌だからかもしれないけど)くさいメロディが子供っぽくなりすぎないのはこの演奏のおかげかも。ベースが笑っちゃうくらいグイグイと主張してくる。のっぺりとエモいボーカルは暑苦しくて正直かなり苦手。
以上、一聴しただけのざっくりとした感想を書いてみました。楽しかったー!せっかくこんな面白いリストがあるんだから、もっと遊ばないとね。100位以下はまたそのうちにやってみようかと思います。